2009年12月1日
ゆず三昧、写真三枚
薄田泣菫の随筆集『艸木虫魚』の「柚子」は次のように始まる。
柚の木の梢高く柚子の実のかかっているのを見るときほど、秋のわびしさをしみじみと身に感ずるものはない。豊熟した胸のふくらみを林檎に、軽い憂鬱を柿に、清明を梨に、素朴を栗に授けた秋は、最後に残されたわびしさと苦笑とを柚子に与えている。苦笑はつよい酸味となり、わびしさは高い香気となり、この二つのほかには何物をももっていない柚子の実は、まったく貧しい秋の私生児ながら、一風変わった秋の気質は、外のものよりもたっぷりと持ち伝えている。
日常の他愛のない物事をこのように観察し、広がりのある文章にしている随筆集は彼の『茶話』とならんで好きな本です。
先日、お客様からお庭になった柚子を沢山いただきました。これから柚子ジャムになる予定です。その前に記念写真。
うつわ:松村英治
うつわ:山田脩二
うつわ:studio prepa
柚子の「苦笑」と「わびしさ」。
カテゴリー:食べものとうつわ | コメント (2) | 投稿者:兵藤 由香
コメント
板前さん、コメントありがとうございます。ひろさんの童話、おもしろそうですね。柚子巻き白菜の漬物、ためしてみますね。これからもプロからのお料理アドバイス、お待ちしています!
2009年12月5日 @ 2:07 PM
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板前
このまえ、某掲示板?でやりとりあった、ひろさんの
童話も柚子の木が舞台です。
http://www.andersen-group.jp/mlhn/ml_lib18.htm
つながるなー。
この時期柚子の皮を芯に白菜の漬物を巻くのがうちの店の
定番のお新香。おためしあれ。
2009年12月4日 @ 11:39 PM