2013年6月23日
かけたうつわ
松村英治さんの織部カップを、お茶に、コーヒーに、焼酎ロックにと使っていました。
先日口がちょっとかけてしまった。
正確に言えば、欠いてしまったのだ。
が、気に入っているのでこうしてまた使っています。
中原中也の「月夜の浜辺」という詩がふっと思い出されます。
月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。
それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂に入れた。
月夜の晩に、ボタンが一つ
波打際に、落ちていた。
それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
月に向ってそれは抛(ほう)れず
浪に向ってそれは抛れず
僕はそれを、袂に入れた。
月夜の晩に、拾ったボタンは
指先に沁み、心に沁みた。
月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?
カテゴリー:花と花器 | コメント (0) | 投稿者:兵藤 由香
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