『本(工芸・うつわ)』 の記事

1 2 3 4 5

2010年6月7日

「器あそび 私の好きな、ごはん時間」 渡辺トシコ著
主婦の友社

「はじめに」からの引用。
 
この本では、「肩の力を抜いて、自分の生活スタイルに合った食事時間」を楽しむことを提案しています。タイトルの『器あそび 私の好きな、ごはん時間』には、自由自在に器をコーディネートしてごはんの時間を楽しもうよ、という意味を込めました。器で遊んでみることで、食事がさらに楽しく自由になることに気づいてもらえたらすごくうれしい、と思っています。

フードコーディネーターであり、スタイリストでもある著者の知人、主宰するフードビジネススクールのテーブルセッティングコースを受講されていた方々の器づかいや、テーブルセッティングを見ることが出来、参考になります。

一つの器ですが、ある時にはおかずが、またある時にはフルーツやシチューが盛られて
います。ああ、こうやって何にでも使える器は毎日の暮らしに大活躍なのだよなあ、と、つくづく思います。

タグ:, ,

カテゴリー:本(工芸・うつわ) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2010年6月5日

「向田邦子暮しの愉しみ」 向田邦子・向田和子著 新潮社

食いしん坊で料理上手だったという向田邦子さん。末妹の和子さんはかつて赤坂に「ままや」という小料理屋さんを開いていたそうです。第一章ではそんなお二人の料理のレパートリーが紹介され、美しい盛りつけとともにレシピも載っています。

第二章には、邦子さんの普段づかいの器や、コレクションの小壷の写真が載っています。お持ちになっていたものは「カッコイイ」と思うものが多く、実際に観てみたいものばかりです。遺品の器の一部は現在かごしま近代文学館にて観る事ができるようです。

第三章は、「う」の抽斗、行きつけの店、向田邦子が選んだ食いしん坊に贈る100冊が載っており、興味深いです。「う」は「うまいもの」の略だそうで、彼女がお取り寄せしていた全国の店のリストやショップカードなど、うまいもの情報満載の抽斗の話し。その内のいくつかは本書で紹介されています。

タグ:

カテゴリー:本(工芸・うつわ), 本(料理) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2010年5月30日

「Casa BRUTUS 器と料理の大特集」 2010 vol.122 MAY マガジンハウス

「BRUTUS、またか。」と皮肉を言いたくなってしまいます…が、かく言う私も乗せられて、毎回買ってしまうのです…。個人的には、2008年3月号のほうが面白かったかなと思います。ですが、今回良かったのは「器なのか彫刻なのか。ウッドボウルの魅力。」のページです。数年前から木のうつわに惹かれています。陶磁器やガラス、漆器におされがちですが、オイルフィニッシュのうつわは、シンプルな美しさがあり、飾ってよし、使ってよし、だと感じています。

タグ:,

カテゴリー:本(工芸・うつわ) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2010年5月29日

「普段の器」 渡辺有子著 主婦と生活社

料理家である著者の自前のうつわや使い方を見ることができ、興味深いです。

うつわを買ったお店のリストと、レシピも載っています。

タグ:,

カテゴリー:本(工芸・うつわ) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2010年5月23日

「暮らしの器」 Soramill著 学研

今年4月に出版された、新しい本です。書いているのはSoramillという、「食と生活の中で感じられる幸せを届けたい」をテーマに本を企画する小さな出版社。

うつわが好きな方なら大体はご存知かと思われますが、都内と関西の50店が紹介されています。器の写真が多いので、ページを繰っているだけでも楽しめると思います。
益子のお散歩マップ付です。

タグ:,

カテゴリー:本(工芸・うつわ) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2010年5月22日

「宮中の食器」 毎日新聞社

図書館の棚にあるのを発見し、興味を持ったので借りてみました。

写真で紹介されているのは、国賓晩餐用、公午餐用の食器、銀器、ガラス器とカトラリーと祝宴用和食器です。国賓は、国王・大統領および元首級の者、公賓は首相または同相当の者だそうです。国賓か公賓かで、使用される食器やカトラリーが違うのだとか。

国賓を迎えての公式晩餐会は皇居宮殿内の豊明殿で催され、150余席の正餐に対応できる一番広い部屋です。一人当たり約80cm幅で食器類が並べられます。国賓晩餐時のテーブルセッティングが見開きでこの本の始めに出ています。

宮殿内の宴席用のガラス食器は大きく三種に分けられるというのも興味深いです。
第一が、グラヴュール(研磨材を塗った銅円盤を回転させて面を彫り込む)という加飾法による薄づくりで「御旗御紋」(明治4年の新貨条例発布の際、発行された旧20円をはじめとする金貨に用いられた図柄)を配したもの。宮内庁では戦前から「英製」と伝えられていて、おそらく明治22年以前に特別な誂えものとして注文をしたものらしいのですが、どこで作られたものか不明ということと、100年以上経った今も現役で使われているというのに驚きます。

第二が、グラインダーにガラスを押し当てて面を削り、後で磨き上げるカット技法(切子)によるやや肉厚のガラスで「菊御紋」を配したもの。こちらは日本製で、明治中期の岩城硝子の納品が始まりです。

第三は、プレーンなガラスにサンドブラストとグラヴュールで「菊御紋」を配したもので、全て戦後のカガミクリスタル株式会社製です。

庶民の私には一見の価値が十分にありました。

タグ:

カテゴリー:本(工芸・うつわ) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2010年5月11日

「『うつわ』を食らう」 神崎宣武著 NHK出版

カバーより。

日本人は「うつわ(器)」と「うつわもの(器物)」にこだわるのである。
「何を食べるか」というより「どのうつわを使って、どう食べるか」。
この問いが、日本人の食文化を培ってきたであろう。
料理に対して勝るとも劣らない、食器の素材と「いろ」と「かたち」へのこだわり、
盛りつけへの審美眼は私たちの生活の中で、どのように受け継がれてきたのか。
日本人は、何を、どのように食べてきたのだろうか。
本書は、私たちの日々の食卓に展開する、あたりまえの現象に、改めて問いを発しつつ、日本の地方、その土地に伝わる生活習俗のさまざまを誌しながら、
食事と食器文化の「かたち」を明らかにする。これは、民俗学の俊秀による
「器と盛りつけの」食文化論の試みである。

宮本常一氏に師事し、民俗学を学んだという著者のこの本は、うつわのみならず、箸や匙、食文化にいたるまで幅広く書かれており、とても興味深いです。

タグ:,

カテゴリー:本(工芸・うつわ) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2010年5月2日

「Lucie Rie」 企画・監修/三宅一生 求龍堂

1989年、日本ではじめて東京と大阪で開催された「ルゥーシー・リィー展」の図録をもとに、書籍として2009年に刊行されました。

彼女はイギリスに亡命して来たユダヤ系オーストリア人で、展覧会当時87歳。現役の作家であったといいます。本書を開くと彼女の写真があり、可愛らしくて魅力的なおばあちゃまという印象を受けます。

ディヴィッド・アッテンボロウ氏、乾由明氏の寄稿によれば、彼女はバーナード・リーチや浜田庄司らと交友があったそうで、当初バーナード・リーチは彼女の鉢や碗の口縁が轆轤できわめて薄く挽き上げられている事に対し「人間的な温かさに欠ける」と批判したといいます。しかし後に彼女の陶芸を認め、作品を世に知らしめるため尽力したとの事。

1967年の展覧会カタログにバーナード・リーチは序文を寄稿しています。
「ルゥーシーの作品は古今、いつの時代の陶芸家のどんな直接的な影響も受けず、その自由こそ彼女の作品の本質となっている。」

6月21日まで、東京の国立新美術館にてルーシー・リー展が開催されています。

タグ:, ,

カテゴリー:本(工芸・うつわ) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2010年4月24日

「山里の竹籠職人」 編集・発行/日之影町役場

山里の竹籠職人

1988年から89年にかけて、日之影町の廣島一夫氏が生涯に身につけた80種類の竹籠を始めとし、日之影町の職人の作品174点が、町の生活記録とともに、スミソニアン協会国立自然史博物館文化人類部に収蔵されました。これを機に、1994年、ワシントンD.C.にあるサックラーギャラリーで展覧会「A Basketmaker in Rural Japan 山里の竹籠職人」が開かれ、その時の図録を日之影町役場が2009年に日本語版として出版したものです。

宮崎県西臼杵郡日之影町で雑貨店を営む中村憲治氏は、町に伝わる竹籠や工芸品の保存に関心を持ち、地元の職人が製作した再現品を店内で展示、販売する事によりそれらを紹介し、後世に残す事を願っていたといいます。そんな中、ニューヨークのジャパンソサエティーのために南日本の工芸品の企画を立てていたアーサー・M・サックラーギャラリーの学芸員ルイーズ・コート氏と出会うのです。その出会いが後にスミソニアンへの収蔵に繋がるのです。

「廣島一夫 竹と歩んだ人生」の章は、1915年に生まれた彼がどのようにして竹籠職人
としての技術を取得し、地域の人びとがどんな暮らしをしていたかが書かれており、大変興味深いです。

以下抜粋。

1920年代の日之影で、竹籠作りを生計とする人は少なくなかった。中には地元周辺の集落を廻って注文を取り、その農家で寝泊りして竹籠を作る人たちもいた。また洞穴や土手に野宿しながら集落を廻って竹籠作りをする人たちもいた。

日之影町役場では販売していません。
購入を希望される方は、町内にある書店へお問い合わせ下さい。
店名:有限会社 高橋書店
電話:0982-87-2018 

タグ:,

カテゴリー:本(工芸・うつわ) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2010年4月21日

「食器の買い方選び方」 秋岡芳夫著 新潮社

著者は共立女子大学、東北工業大学で教鞭をとった他、工業デザイナーとして、作る者・売る者・使う者のより良い関係を築くため「モノ・モノ」運動を主宰されていました。北海道や岩手県でのコミュニティ産業開発にも貢献をしていて、著書も多くあります。

手頃な大きさ、重さという事に関して詳しく書かれ、食器を選ぶ際のいろいろなポイントが明記され、買う者にはとても参考になる話しが載っています。

以下本文より引用。

・暮しで見立てる
単に食べやすいだけでは、いい器とはいえない。
食器は、それで食事をする人だけではなく、運ぶ人、洗う人、片付ける人、みんなにとって使いやすいのが〝いい器〟なのだ。
使いやすさを決めるのは、体と器の関係寸法、器同士の関係寸法、動作と器の関わり方、その他いろいろ。

・持ちやすいのがいい
見近にあるものを手に持ってみたら、コップも茶筒もビール瓶も、みなほぼ同じ大きさ、直径80ミリ前後。これは、日本人の手にちょうどすっぽりと収まる大きさだ。この80ミリ前後すなわち3寸弱とは、長い歴史の中で自然とできあがった〝きまり寸法〟なのだ。持ちやすさを求めた昔のユーザーたちの追求がこのサイズに落着き、現代でも生きている。

「モノ・モノ」の流れを汲む、お店
モノ・モノのHPリンク

タグ:,

カテゴリー:本(工芸・うつわ) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

『本(工芸・うつわ)』 の記事

1 2 3 4 5