『本(詩集)』 の記事

2013年6月20日

へんな かくれんぼ 岸田衿子 のら書店

梅雨です。雨は多すぎても少なくても困りますね。
雨の音を楽しんでみましょう!

「いろんな おとの あめ」 岸田衿子

あめ あめ
いろんな おとの あめ

はっぱに あたって ぴとん
まどに あたって ぱちん
かさに あたって ぱらん
ほっぺに あたって ぷちん
てのひらの なかに ぽとん
こいぬの はなに ぴこん
こねこの しっぽに しゅるん
かえるの せなかに ぴたん
すみれの はなに しとん
くるまの やねに とてん

あめ あめ あめ あめ
いろんな おとの あめ

カテゴリー:本(詩集) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2013年1月16日

「人生の特別な一瞬」 長田弘 晶文社




15年くらい前の12月、いくつかの詩集の紡がれた言葉に、力をもらったのです。
「こんなまま生きていっていいのだろうか」と漂流していた時でした。
だからでしょうか、冬になると何故だか詩集が読みたくなります。

昨年暮れに読みました。
長田さんの、32篇の詩文集です。穏やかな気持ちになります。

今は就寝前の少しの時間が読書の時間ですが、この本を読む理想的な環境は、静かな朝か夕暮れに、山の見える小屋で、ゆっくりとお茶を飲みながら、です。

あとがきを一部引用します。
 人生の特別な一瞬というのは、本当は、ごくありふれた、なにげない、あるときの、ある瞬間の光景にすぎないだろう。そのときはすこしも気づかない。けれども、あるとき、ふっと、あのときがそうだったのだということに気づいて、思わずふりむく。
 ほとんど、なにげなく、さりげなく、あたりまえのように、そうと意識されないままに過ぎていったのに、ある瞬間の光景が、そこだけ切りぬかれたかのように、ずっと後になってから、人生の特別な一瞬として、ありありとした記憶となってもどってくる。
 特別なものは何もない、だからこそ、特別なのだという逆説に、わたしたちの日々のかたちはささえられていると思う。人生は完成でなく、断片からなる。『人生の特別な一瞬』に書きとどめたかったのは、断片のむこうにある明るさというか、ひろがりだった。

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カテゴリー:本(詩集) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

2011年7月3日

「ゼロになるからだ」 覚和歌子著 徳間書店

久しぶりに詩集を読み、面白さを再発見しました。

著者は、映画「千と千尋の神隠し」主題歌「いつも何度でも」の作詞者です。

本書は「生きている不思議」、「ゼロになる身体」、「死んでゆく不思議」の三部構成です。第一部は、詩のスタイルでありますが、物語の広がりがあり、小説を読んだような感覚が新しかったです。

カテゴリー:本(詩集) |  コメント (0) |  投稿者:兵藤 由香

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