2014年1月29日
吉田麻子さんのこと
©Sayaka Kikuchi
昨年12月に「羊毛から糸づくり、織りまで自分でやっている友達がいるの」と友人が吉田麻子さんを紹介してくださり、ご縁がつながりました。
吉田さんは長岡造形大学テキスタイルデザインコースで学ばれました。織をしたくて入学をされたのではないそうですが、2年生の時に初めて織り機で布を織ったときの体験が織への道につながっているようです。織るうちに、糸や繊維も信頼できるものを用いたいと思われるようになり、糸紡ぎを学ばれ、現在はご自身で羊毛を紡ぎ、ある時は染めもなさっています。
制作のほか、専門学校で教える仕事もなさり、2012年からはTohokuCraftのメンバーとして石巻市で活動を続けています。2013年2月、石巻市の日和アートセンターで羊一頭分の原毛を洗って糸にするまでの工程を公開制作され、その時に羊を飼っている方、木工でスピンドル(毛糸を紡ぐ道具)を作って下さる方、編み物を教えて下さる方などと出会います。
「石巻市民の方々は好奇心があって、いつも新しく学びたい方がきて下さいます。きっかけは震災でしたが、長く深く、ものを作る楽しさを一緒に感じて行きたいと思っています。このような機会を得ることができ、とてもありがたいと感じています。」とおっしゃる吉田さんのお話をうかがい、被災地とのいろいろなかかわり方、支援のあり方があるのだと思いました。
©Asako Yoshida
吉田さんによる紡ぎ・染め・織りのマフラー。ありそうでない色。優しさを感じます。
吉田麻子さんをお招きし、ちいさな集まり vol.2「羊の毛を紡いで織るコースター」をひらきます。原毛を洗うところから織って仕上げるまでを、羊毛に触れながら、楽しみながら学びたいと思います。詳細は次のかわら版に掲載します。
◆吉田麻子さんのHPはこちら(→)です
◆TohokuCraftとは
2011年3月11日、東北地方を中心に起きたM9の地震とそれに続く大津波により、多くの人の貴い生命と生活が、一瞬にして奪われました。私たちは、アートや建築デザインなど、ものづくりに携わる有志とともに、震災2ヶ月後から宮城県の避難所を訪れ、そこで被災された方たちと一緒にニットや枕などの日用品を作る手作りの会をスタートしました。現在は、主に石巻市内の仮設住宅の集会所で、簡単な洋服作りや糸紡ぎ+編み物の会を開催しています。
長く続く仮設住宅での暮らしのなかで、自分のために、誰かのために、手を動かして何かをつくることで、心を安らげて生きる力を取り戻していく、新しいコミュニティのなかで仲間を作っていく、その小さなお手伝いができればと思っています。
また、報道されることの少なくなった被災地の現状をほんの少しでもお伝えすることができればと思い、訪問ごとにレポートを記録しています。(TohokuCraftのHPより転載しました。)