2010年11月23日
「めぐりあう日々の用品」 津田晴美著 マガジンハウス
著者は1982年から雑誌や広告でフリーランスのインテリア・スタイリストとして働き、近年は東京の新宿パークタワーに「クインテッセンス」というショールームを構えておられます。本文は、雑誌クロワッサン673〜782号に掲載されていた「めぐりあう、日々の用品。」を再構成、加筆、修正を加えたものだそうです。
副題が「ずっと使いたい87のもの」とあるように、87のものや道具が、4部構成(1・はたらく、2・あそぶ、3・もてなす、4・たしなむ)で登場します。部ごとにエッセイがあり、こちらも興味深く読みました。
「家のしごと」の冒頭、
家のしごとのひとつずつは、なんでもないことのようですが、小さなことが寄り集まって、時の層をなし、ひとの芯をかたちづくります。
の一文に背筋をのばされました。著者が、「新しいデザインや商品というだけでは、もはや意味を見いだせない」とおっしゃているとおり、ものの紹介が主ではなく、ものとのめぐりあいのエピソード集です。
素敵〜、便利そう、高くてとても私には買えない…などの数々。因に私が一番欲しいと思ったものは、穴専用のブラシ。注ぎ口洗いブラシ4点セット630円!一番小さいものはナイロン素材で、他3点は相手の素材に傷をつけない豚毛100%だとか。