2010年5月2日
「Lucie Rie」 企画・監修/三宅一生 求龍堂
1989年、日本ではじめて東京と大阪で開催された「ルゥーシー・リィー展」の図録をもとに、書籍として2009年に刊行されました。
彼女はイギリスに亡命して来たユダヤ系オーストリア人で、展覧会当時87歳。現役の作家であったといいます。本書を開くと彼女の写真があり、可愛らしくて魅力的なおばあちゃまという印象を受けます。
ディヴィッド・アッテンボロウ氏、乾由明氏の寄稿によれば、彼女はバーナード・リーチや浜田庄司らと交友があったそうで、当初バーナード・リーチは彼女の鉢や碗の口縁が轆轤できわめて薄く挽き上げられている事に対し「人間的な温かさに欠ける」と批判したといいます。しかし後に彼女の陶芸を認め、作品を世に知らしめるため尽力したとの事。
1967年の展覧会カタログにバーナード・リーチは序文を寄稿しています。
「ルゥーシーの作品は古今、いつの時代の陶芸家のどんな直接的な影響も受けず、その自由こそ彼女の作品の本質となっている。」
6月21日まで、東京の国立新美術館にてルーシー・リー展が開催されています。