2012年3月25日
花わさび

うつわ : 松村英治 七寸皿 3,000円
先日スーパーの野菜売り場で「南伊豆の花わさび」が目に止まり、買ってみました。
小さな白い花がついていて、かわいい花束のようでもありました。
袋の印刷を読めば、おひたしや三杯酢で食す事がオススメと書かれていたので、茹でて三杯酢でいただきました。
可愛らしさとは一転、名の通りツンとするさわやかな辛み。
これ、結構好きになりました!
うつわ : 松村英治 七寸皿 3,000円
先日スーパーの野菜売り場で「南伊豆の花わさび」が目に止まり、買ってみました。
小さな白い花がついていて、かわいい花束のようでもありました。
袋の印刷を読めば、おひたしや三杯酢で食す事がオススメと書かれていたので、茹でて三杯酢でいただきました。
可愛らしさとは一転、名の通りツンとするさわやかな辛み。
これ、結構好きになりました!
1・2月の展示「ぬくぬくほっと」で展示しているものを紹介します。
八寸段皿 φ24cm h4.5cm 3,800円、七寸片口 φ21cm h7.5cm 4,500円
「まず使っていただいて、馴染んできて、それから次の話なので、結果がすぐに見えてこない息の長い仕事だと思っています。食器はあくまで脇役ですから。」と語る松村さん。
使い出すと使いやすく、食卓への登場回数が上がります。焼きしめは、扱いづらいから・・・と思われがちですが、お使いになる前に少しお水に浸していただき、お食事後は洗ってよく乾かしていただければよいだけです。
「がさがさの焼きしめは、最初はきれいとかそんな理由で使っても、日々の中でやはり使いづらいことで使わなくなり育つどころではなくなる。やはりはじめから使いやすいのがいいと思って。」
一度焼いて砥石で表面のがさがさを落としてペーパーかけして、三回焼いて最後に水研ぎをしてつくられています。
工程が増えるだけ手間はかかりますので、使いやすさを考慮された作者の心意気を感じます。
松村英治さんの他の作品はこちらでご覧ください。
薄田泣菫の随筆集『艸木虫魚』の「柚子」は次のように始まる。
柚の木の梢高く柚子の実のかかっているのを見るときほど、秋のわびしさをしみじみと身に感ずるものはない。豊熟した胸のふくらみを林檎に、軽い憂鬱を柿に、清明を梨に、素朴を栗に授けた秋は、最後に残されたわびしさと苦笑とを柚子に与えている。苦笑はつよい酸味となり、わびしさは高い香気となり、この二つのほかには何物をももっていない柚子の実は、まったく貧しい秋の私生児ながら、一風変わった秋の気質は、外のものよりもたっぷりと持ち伝えている。
日常の他愛のない物事をこのように観察し、広がりのある文章にしている随筆集は彼の『茶話』とならんで好きな本です。
先日、お客様からお庭になった柚子を沢山いただきました。これから柚子ジャムになる予定です。その前に記念写真。
うつわ:松村英治
うつわ:山田脩二
うつわ:studio prepa
柚子の「苦笑」と「わびしさ」。
今回新たに届いたものは、写真上から灰釉大鉢1点、七寸鉢6つ、七寸皿6枚です。
この七寸皿、作ろうと思って出来るものではないとの事です。一度焼いて真っ黒になったところへ透明の釉をかけ、更に焼き重ねていくと、始めについた炭素が抜けてきて、残った部分が写真にあるような茶といいますかオレンジ色に残るのだそうです。
お願いしていつも出来る訳ではないものです。機会がございましたら、是非一度実物をご覧いただきたく思います。