2010年5月11日
「『うつわ』を食らう」 神崎宣武著 NHK出版
カバーより。
日本人は「うつわ(器)」と「うつわもの(器物)」にこだわるのである。
「何を食べるか」というより「どのうつわを使って、どう食べるか」。
この問いが、日本人の食文化を培ってきたであろう。
料理に対して勝るとも劣らない、食器の素材と「いろ」と「かたち」へのこだわり、
盛りつけへの審美眼は私たちの生活の中で、どのように受け継がれてきたのか。
日本人は、何を、どのように食べてきたのだろうか。
本書は、私たちの日々の食卓に展開する、あたりまえの現象に、改めて問いを発しつつ、日本の地方、その土地に伝わる生活習俗のさまざまを誌しながら、
食事と食器文化の「かたち」を明らかにする。これは、民俗学の俊秀による
「器と盛りつけの」食文化論の試みである。
宮本常一氏に師事し、民俗学を学んだという著者のこの本は、うつわのみならず、箸や匙、食文化にいたるまで幅広く書かれており、とても興味深いです。